aDrums artistやEXSシリーズで使用されているATVハイハットのaD-H14(14インチ)とaD-H12(12インチ)の特徴&仕様とセットアップ、トラブルシューティングについて詳しく解説します。
ハイハットシンバル(以下、ハイハット)は、アコースティックドラムでも電子ドラムでも欠かせない楽器です。足で正確にコントロールし、サウンドを自由に変化させて、オープンからクローズまで、幅広いサウンドが可能です。
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1. 特徴&仕様
5. トラブルシューティング
1. 特徴 & 仕様
モデル: aD-H14, aD-H12 サイズ: 14", 12" 素材: シリコンラバー、マットブラック ゾーン: ボウ/エッジ/カップ* コネクター: トリガー出力 x2 (TRSフォーン) 仕様: 360度全周センサー/チョーク可能
*aD5のハイハット入力はカップに未対応
従来の電⼦ハイハットでは接触式センサが多く⽤いられ、その検出精度や追従性に限界がありました。aDrumsのハイハットは、⾮接触式のセンサによって素早い開閉においても遅れのない⾼い精度のセンシングが可能になりました。 aD5のハイハットコントロール・アルゴリズムもこの新しいセンサに最適化され、より⼀層の表現⼒と正確さを獲得しました。
2. ハイハット・スタンドのセットアップ
ATVのハイハット(aD-H14、aD-H12)はアコースティック・ハイハットと同じ動作をして反応するように設計されています。そのため、アコースティックと同じハイハット・スタンドに設置することができ、自然な演奏を実現しました。
3. aDrumsの音源モジュール「aD5 」のセットアップ
音源モジュール「aD5」は、ATVハイハット(aD-H14)のトリガー感度とダイナミック・レスポンスを細かく調整することができます。
*一般的に、パッドの打撃センサー付近は極端に感度が高くなってい ます。センサー付近を少し外して 叩くと、正確に調節することがで きます。
1. Sensitivity(感度)(+または-)を調整し、ハイハット・パッドのトリガー感度を設定します。プラスの値にすると、パッドの感度が上がり、マイナスの値にすると、パッドの感度が下がります。 画面のショット・メーターを見ながら、演奏で使う一番強いショット(ff)のときに、ショット・メーターが ff を示すように調節します。ff よりも上を示す場合は、感度を下げてください。
Curve(カーブ)は打撃の強弱と、音のダイナミクスがリニアになるように補正します。 中程度のショット(mf)のときに、メーターが mf を示すように調節します。
* aDrums artistのハイハット( aD-H14 )の BELL(CUP) には対応していません。 EDGE ジャックのみ接続します。
2.Threshold(スレッショルド)はどれくらい小さな打撃でパッドが反応を始めるかを調節します。 値を小さくするほど、より小さな打撃で反応するようになります。 周囲の音にパッドが反応してしまう場合は、値を大きくします。
ゾーン B、ゾーン C の感度を調節します。 画面のショット・メーターを見ながら、演奏で使う一番強いショット(ff)のときに、ショット・メーターがff を示すように調節します。ff よりも上を示す場合は、感度を下げてください。
3.Pedal HH Sense画面ではハイハット・コントロール・ペダルが正しく動作するように調節します。また、フット・クローズ、フット・スプラッ シュの音量を調節することもできます。視覚化ツールがあり、ハイハットの現在の開閉位置を示す動くカーソルを表示します。このツールを使って、[Set Close]ボタンを押してハイハットのクローズポイントを設定します。
詳細については「aD5 リファレンスガイド」をご参照ください。
また、動画「ハイハット設定を極める!」でもセットアップの基本を解説しています。
4. EXSシリーズの音源モジュール「xD3 」のセットアップ
EXSシリーズのハイハットモデル
・EXS-5SK artist, EXS-5: aD-H14
・EXS-3CY, EXS-3, EXS-3SC: aD-H12
・EXS-1 MK2, EXS-2 MK2: xD-C12A
EXSシリーズのハイハットは、音源モジュール「xD3」のシンプルなトリガー設定で素早く簡単にセットアップできます。
Sensitivity(感度)(+または-)を調整し、ハイハットパッドのトリガー感度を設定します。すべてのゾーンは、この1つの設定で調整されます
Pedal HH Sensはハイハットのフット・クローズ、フット・スプラッシュの音量を調節します。足でハイハットを閉じ、ハイハットが完全に閉じて聞こえるまでこの値を調整します。値が大きいほどハイハットを閉じやすくなります。
最新ファームウェア ver.1.30ではハイハットのクローズドポイントの設定が改善されました。
音源モジュール「xD3」の最新ファームウェア ver.1.30:
5. トラブルシューティング
・クローズの音が出ない。
・オープンの音が出ない。
・ハイハットの開閉が安定しない。
aDrums artistやEXSシリーズを既にお持ちの方は、上記のようなハイハットの不具合時にいくつかの簡単なチェックができます。
チェック1:ハイハットの電源を確認する
ATVハイハットには、クラッチが取り付けられたトップ シンバルと、光センサーを搭載しaD-HHC(ハイハット コントロール)の2つの主要な電源装置部分があります。
特に、aD-HHCには独自の電源アダプタがあり、電源を接続後にスイッチでハイハットの電源を入れます。
ハイハットに電源が供給されている場合、白いLSD(写真1)が点灯します。LEDライトの明るさは一定でちらつきはありません。
チェック2:ハイハットクラッチの確認をする
ハイハットクラッチ(写真2)が正しく設置されていなかったり、センサー部分がほこりや繊維で汚れている場合、ハイハットの開閉が正常に起動しません。
ATVのハイハットクラッチ(写真2)には、底面にプラスチック製の白い反射板(写真3)がねじ込まれた特殊なクラッチが取り付けられています。
この部品は、ハイハットの光センサーシステムが機能するために重要です。ハイハットの開閉のレスポンスに問題がある場合は、「ハイハットクラッチの組み立て方法」を参照してクラッチが正しく組み立てられていることを確認してください。
*ATV専用のハイハットクラッチのみ使用可能ですのでご注意ください
チェック3:ハイハットセンサーの確認をする
センサー部分(写真4)が汚れていないかを確認してください。
チェック4:ケーブルの接続を確認する
上面のシンバルケーブルがシンバルのEDGEトリガー出力に接続されている(写真5)ことを確認してください。
aD-HHC(ハイハット コントロール)がCTLジャックを使用して、音源モジュールに接続されている(写真6)ことを確認してください。
その上で、トリガーケーブルをジャックに接続している場所を動かした時にトリガー信号の断線を確認した場合はケーブルに障害があり、マルチトリガーケーブル(aD5-TC)の交換が必要です。
チェック5:音源モジュールのハイハット設定を確認する
音源モジュールのハイハット設定がうまくできていない場合、オープンやクローズがイメージと合わないことがあります。このような場合、音源モジュールのハイハット設定を確認して調整をしてください。
aD5:
ハイハットのトリガー感度やダイナミックレスポンスを細かく調整することができます。
詳細は当記事の「3. aDrumsの音源モジュール「aD5 」のセットアップ」にあります。
xD3:
Pad Typeが「aD-H12 or 14」になっていることを確認してください。
また、「HH Close Adjust」の値を上げるとハイハットが閉じやすくなります。
xD3ファームウェアがVer.1.30になっているかを確認してください。
詳細は当記事の「4.EXSシリーズの音源モジュール「xD3 」のセットアップ」にあります。
ご不明な点がありましたらお気軽に「お問合せ」ください。
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